Loule.甲斐みのりが過去に雑誌・書籍・媒体などに書き下ろしてきましたコラムの一部を掲載いたします。
ここに掲載してあるものは媒体への転載許可済みのものに限っております。



 あこがれのはなし

いつもなにかにあこがれてきました。
 
お化粧している大人の女の人にあこがれていました。
綺麗な模様やシルエットの洋服にあこがれていました。
絵を描くことができる人にあこがれていました。
歌を上手に歌える人にあこがれていました。
気持ちを優しく言葉にできる人にあこがれていました。
そして、なにかものを作る人にあこがれていました。
 
ある日観た、映画の中の女の子。
「シャルロット」という名前の女の子は
その頃の私と同じ顔をしていました。
恋やあこがれをうまく自分のものにできなくて
曇った顔で「ロル ロル」という名のクラブを見つめ、
キラキラして見える場所に想いをはせる。
そんなシャルロットがあこがれていた「ロル ロル」は
それからの私の、あこがれの象徴です。
 
悩んだりもしたし、毎日泣いて過ごしたこともあります。
けれども、泣きながら目に映った私の大切な宝物(あこがれ)は、
少女の絵や、指輪や、グラスや、マッチや、ワンピースは、
いつでもいつのまにか、泣くことなんて忘れさせてくれたのです。
 
過ぎてしまった少女時代と
まだ届いていない大人へのあこがれ。
いつでもなにかに恋をして、あこがれ尽きない女の人へ
贈り物をするような、手紙を書くような、
そんなもの作りをしていきたい。
 

季刊誌『みづゑ』2003年春号
Louleの特集ページより
 




 叙情あるもの 

「叙情ある」もの作りにあこがれています。
私にとっての叙情とは、何かを見た時に
正と負の間の微妙な感情を揺れ動かされること。
ただ「可愛い」だけではなく
「懐かしい」「悲しい」「切ない」「宝物にしよう」
「あの人にこれを贈りたい」、
そんなふうに思ってもらうことのできるもの作りが
私があこがれる、叙情あるもの作りです。
そしてまた
「もの」から「ことば」が生まれたり、
「ことば」からのイメージで「もの」ができたりと、
ことばとものが互いに響きあうことを
私はとても叙情的なことだと思うのです。
 
ロルにとって、「ことば」は「もの」のひとつです。
 

季刊誌『みづゑ』2003年春号
Louleの特集ページより
 





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